優勝候補より29秒速く走った23歳が、椅子の上で1時間18分待った
エル・プエルト・デ・サンタ・マリアの闘牛場に組まれたスタート台から、148人が1人ずつ出ていきます。出走順は総合成績の逆順なので、総合を争う選手は最後です。
現地14時11分に走り出したのはイーサン・ヘイター。英国の個人タイムトライアル王者で、この大会がスペインの外、モナコで開幕した日にも0.09秒差の2位に入った、この日の優勝候補です。その8分後に出たのがカラム・ソーンリー、23歳。同じ英国の選手で、ワールドツアーは1年目、グランツールはこれが初出場です。
チームは氷で体を冷やして彼を送り出しています。「震えながらスタートしたタイムトライアルは、これが初めてだった」「……最初の15分から20分は本当にコントロールできていて、限界を超えていなかった」
コースには途中のタイムを測る中間計測が、11.7kmと22.1kmにあります。ソーンリーはその1か所目をヘイターより19秒速く通過しました。差は2か所目で23秒、ゴールでは29秒に開きます。35分25秒はこの時点でいちばん速いタイムで、ソーンリーは暫定トップの椅子に座ります。
そこからが長かった。ポルトガルのイヴォ・オリヴェイラは、そのタイムに27秒届きません。同じポルトガルのジョアン・アルメイダは1か所目をわずかに速く通過し、2か所目で並び、ゴールでは6秒足りません——この日の3位です。ソーンリーのチームメイト、フィン・フィッシャーブラックは、まだ椅子にいる彼を見てこう話しています。「カラムがまだトップにいるのを見られてうれしいよ。あいつは家では毎日タイムトライアル用のバイクに乗っているから、それが実を結ぶのを見られるのはいいことだよ」。そのときソーンリーは、椅子の上でボカディージョ——スペインのサンドイッチ——を食べていました。
「このレースでは疲労をうまく管理できたと思う。大会が始まった時点では、初めてのグランツールで第18ステージまでたどり着くことがいちばん大事だったから、このタイムトライアルは目標じゃなかったんだけれど、イーサンをあれだけ引き離せて、最後にいい結果までついてくれば、それで満足だよ」
出典:ラ・ブエルタ公式: 第18ステージ(ロードブック行程表。スタート台は闘牛場、計測は11.7kmと22.1km) ↗As it happened: stage 18(計測ごとのヘイターとの差、オリヴェイラとアルメイダの追い上げ。英語)— Cyclingnews ↗He is going to be unstoppable in a few years(ソーンリーとフィッシャーブラックの発言、ボカディージョ。英語)— Cyclingnews ↗Start times & order Vuelta a España 2026 Stage 18(各選手の出走時刻。英語)— Domestique ↗