差が5分に開いたあと、39歳が先頭に戻って追い直した
ドス・エルマーナスはセビリアの南に隣り合う町で、コースはそこから南東へ大きく回り込みます。走り出してすぐ3人が前へ出ましたが、そのうちフレドリク・ドゥヴァーシュネスはほどなく身を起こして集団へ戻り、逃げは2人になりました。エンゾ・パレニとシヌヘ・フェルナンデス。このふたりが、185kmのほとんどを前で走ることになります。
集団の先頭を引いたのは、ヴィスマ・リースアバイクとコフィディスでした。狙いはどちらもゴール前のスプリントで、差は3分あたりに収まります。ところが残り100kmを切ったあたりで、ヴィスマが引くのをやめました。ほかのチームも出てきません。差はみるみる開き、5分を超えました。
コフィディスも、そこでは前に出ませんでした。直近2回の集団スプリントは、どちらもマシュー・ブレナンが1位でブライアン・コカールが2位。追いかける仕事だけを引き受ける理由がありません。
やがてヴィスマが戻ってきます。差が4分20秒まで縮んだところから先頭で風を受け続けたのはステフェン・クライスヴァイクで、集団を一本の長い列に伸ばしながら、その差を2分20秒まで削っていきました。39歳のクライスヴァイクは、第11ステージでも同じように集団の先頭で風を受けていた選手で、このブエルタが17年のプロ生活で最後のグランツールになります。
🔰 初心者向けメモ: いちばん勝ちたいチームが、途中で引くのをやめる理由
逃げを追う仕事は、誰かが集団の先頭で風を受け続けないと進みません。この日それを引き受けたのは、ゴール前のスプリントで勝ち目のあるヴィスマ・リースアバイクとコフィディスでした。
ただ、追ったときの得はチームごとに違います。速いスプリンターを連れているチームなら、自分が脚を使わなくても、ほかのチームが逃げを捕まえてくれれば同じスプリントに参加できます。だから「うちは引かない」と決め込むチームが出てくる。引いている側から見れば、ただ乗りされている形です。
この日ヴィスマがやったのは、その形を一度こわしてみせることでした。先頭から下がり、差が5分を超えるまで放っておく。それでも誰も出てこないと分かってから、また自分たちで引き始めました。第10ステージのメモでは「差の上限を決めているのは後ろ」と書きましたが、その上限は、後ろの何チームが働く気でいるかで動きます。
出典:Cyclingnews(イギリスの自転車専門メディア): 第17ステージのライブブログ(逃げの成立、ヴィスマが引くのをやめて差が5分20秒まで開いた場面、クライスヴァイクの牽引) ↗ラ・ブエルタ公式(主催者): 第17ステージの各種順位表(逃げの2人、着順、タイム差) ↗