ファンデルプールの数秒後、ポガチャルは集団に飲まれる前に一人でラインを越え、手を挙げて「5」を示しました。2020年、2021年、2024年、2025年、そして2026年。アンクティル、メルクス、イノー、インドゥラインだけが到達していたツール5勝に、史上5人目として並んだのです。
27歳10カ月での到達は史上最年少。出場した7回のツール全てで表彰台に立ち続けている王者は、それでもこう言いました。「信じられない一日だ。無事にレースが終わって、5度目の優勝ができてうれしい。おとぎ話だと思うだろう——僕自身にも信じられないんだ」「目標を達成した今、新しい目標を見つけないとね。どんな目標かって? 先走りはよそう。今はこの瞬間を楽しむよ」。そして、ここにいないライバルを忘れませんでした。「ヨナスや多くの選手が落車でこのツールを去ったのは残念だった。来年、また全員で戦えることを願っているよ」——第15ステージ、鎖骨を折って総合2位のままレースを去ったヴィンゲゴーへの言葉です。
表彰台では3週間の勲章が次々と手渡されます。総合2位エヴェネプール、3位デルトロ。緑のピーダスンは559点でポイント賞を確定させ、ブエルタ、ジロに続く3大グランツールのポイント賞全制覇——メルクス、アブドジャパロフ、ジャラベール、ペタッキ、カヴェンディッシュしか成し遂げていない偉業の、史上6人目になりました。カラパスには2度目の水玉に加えて、大会全体のスーパー敢闘賞。チーム総合を30分以上の大差で制したリドル・トレックからは、シモンズが大会公式の「ベストチームメイト」に選ばれています——「給料を払ってくれるのはチームだからね」と本音を漏らしながらエースたちを支え続けた男に、これほど似合う賞もありません。
バルセロナを出発した184人のうち、シャンゼリゼに帰ってきたのは158人。勝者から1時間以内でツールを終えたのは僅か11人で、最後尾のボルは6時間22分後ろからパリにたどり着きました。数字そのものが、この3週間の過酷さを物語っています。表彰台には元世界王者のマーク・カヴェンディッシュとリジー・ダイグナンの姿もあり、グラン・デパールのトロフィーが2027年の開催国・イギリスへ手渡されました。次のツールは、エディンバラから始まります。
🔰 初心者向けメモ: 敢闘賞とスーパー敢闘賞
各ステージでは、勝敗とは別に「その日最も果敢に戦った選手」に敢闘賞が贈られ、受賞者は翌日のレースを金色のゼッケン(かつては赤、現在はスポンサーのカラー)で走ります。勝てなくても逃げでレースを動かした選手を讃える、ロードレースらしい賞です。そして最終日には、3週間を通して最も果敢だった選手に大会全体の「スーパー敢闘賞」が一つだけ贈られます。今年選ばれたのは、第3週にステージ2勝と山岳賞をまとめて奪っていったカラパスでした。パリの表彰台に金色のゼッケンの枠が一つ用意されている——それは、このスポーツが勝者だけのものではないことの、何よりの証明です。