逃げが決まるまでに100km超——できかけた先頭が、いちど消えた
朝いちばんの出来事は、前日の勝者がいなくなったことでした。個人タイムトライアルを勝ったキュングは、9月20日にモントリオールで始まる世界選手権の個人タイムトライアルに備えて、ここでレースを降りています。
旗が振られると、すぐにアタック合戦が始まりました。最初の1時間の平均時速は52km。この日の全体の平均は時速42kmほどですから、朝のうちだけ10km速い計算です。40kmを攻め合ったあとで、ようやくレックネスン、クライスヴァイク、ズッターリンの3人が、集団に25秒の差をつけます。クライスヴァイクは、このブエルタを現役最後のレースに選んだ選手です。
後ろからオリヴェイラ、ヨハンネセン、トロンションらが追いついて先頭は7人になり、集団との差は47秒まで伸びました。最初の2級プエルト・デ・ラス・アベハスでは、バーレーン・ヴィクトリアスのビルバオが、同じチームで山岳賞を着るブイトラゴを前へ送り出そうとし、総合5位のオンリーも仕掛けますが、抜け出せません。頂上を先頭で越えたのはレックネスンでした。
そして100kmを過ぎたあたりで、できかけた先頭が消えます。20人ほどに膨れ上がっていたその集まりを、集団の前に出たオンリーのネットカンパニー・INEOSが連れ戻したのです。この日の逃げが固まるまでには、3時間近くかかっています。
そのあいだ、クライスヴァイクは先頭から集団へ下がっていきます。ヴィスマ・リースアバイクにはクスを前へ送り出す計画があり、彼はその風よけをするために戻ったのです。自分でつかんだ逃げを捨てて、後ろの仕事に回る——それが、現役最後のレースでの彼の役目でした。
🔰 初心者向けメモ: 3週間目の逃げは、なぜこんなに決まらないのか
逃げは「行かせてもらう」ものです。集団は飛び出した顔ぶれを見て、総合争いに関係のない選手だけを行かせます。そして3週間目は、この審査がいちばん厳しくなります——残る日数が少ないので、まだ勝てていないチームは全部が前に行きたい。いっぽう守る側は、順位の近い選手が混ざった大きな逃げを許せません。だから20人の先頭ができても、そこに総合勢がいれば連れ戻して、審査をやり直させます。
代償は全員が払います。100km以上を高い速度で走り続けたので、集団そのものがかなり小さくなった状態で、後半の山に入りました。
出典:Cyclingnews ライブ(ニュートラル区間でのキュング不在、40km攻め合った末の3人と25秒、7人と47秒、アベハスでのビルバオとオンリーの動き、半分を過ぎて全部つながったこと) ↗cyclowired: 第19ステージ レポート(最初の1時間の平均時速52km、逃げが固まるまで3時間近く) ↗Cyclingnews: 大会中のリタイア一覧(キュングは10日後の世界選手権個人TTに備えて離脱、フェドロフはDNS、ダブルは走行中に降りて残り145人) ↗