建国記念日の32分19秒——両親と妻の前で
個人タイムトライアルは、風よけも駆け引きもない「ひとりだけのレース」。総合成績の逆順に1人ずつ出走するため、レースが深まるほど強い選手が現れる構成です。総合2位のエヴェネプールは、最初の計時ポイントからすでにポガチャルより速く、2級コート・ド・ラランジュの頂上では、この日3位に入るスケルモースに55秒の大差をつけました。休息日の試走で「とても速くて、テクニカルで、少し危険でもある」と自ら評した下りも無傷で駆け抜け、32分19秒・平均時速48.4km。2位のポガチャルに28秒差をつける完勝でした。この日、7月21日は母国ベルギーの建国記念日。ゴールには家族の姿がありました。「本当にうれしい勝利だ。素晴らしいタイムトライアルだった。両親が来てくれて、妻もここにいる。とても感動的だったよ」。第15ステージの山頂勝利に続く2連勝で、総合の差は5分00秒から4分32秒へ。TTの名手が、最も大切な祝日に、最も得意な土俵で結果を出しました。
🔰 初心者向けメモ: TTは総合の逆順に走る——マイヨ・ジョーヌは最後
個人タイムトライアルの出走順は、総合成績の逆順が基本です。総合下位の選手から1〜2分間隔で1人ずつスタートし、マイヨ・ジョーヌが最後に走ります。後から出る選手ほど、先に走ったライバルの中間タイムを知ったうえで走れる——総合上位ほど「相手の手札を見てから勝負できる」仕組みで、テレビ観戦も終盤に向けて盛り上がるようにできています。それでも、知っていて追いつけないことがあるのが、ひとりで走るこの種目の残酷なところです。
出典:TOUR Magazin: Evenepoel wins time trial, Lipowitz crashes ↗CyclingUpToDate: Results Tour de France 2026 Stage 16 ↗