休みの日に、明日の答え合わせ——TTバイクの試走組
休息日の朝、レマン湖畔には見慣れない光景がありました。ふだんの回復ライドではなく、前傾のきついTTバイクにまたがった選手たちが次々と走り出していくのです。翌日の第16ステージは、エヴィアン=レ=バンからトノン=レ=バンへの26.1km——今大会唯一の個人タイムトライアルです。総合2位のエヴェネプール、5位のリポヴィッツ、そしてヴィスマのジョーゲンソンとアルミライユらが試走する姿が目撃され、ベルギー放送局RTBFのカメラは、コース前半の勝負どころ、コート・ド・ラランジュ(9.7km・平均4.3%)の登りで選手たちを待ち構えました。コースは「3分の1が登り、3分の1が下り、3分の1が平坦」という三部構成。試走を終えたエヴェネプールの見立ては率直でした。「いいコースだよ。ただ、下りはTTには少しトリッキーだ。とても速くて、テクニカルで、少し危険でもある。でも、それは全員にとって同じ条件だから」
🔰 初心者向けメモ: なぜ前日に走っておくのか——試走という宿題
個人タイムトライアルは、風よけになる仲間も駆け引きもない「ひとりだけのレース」。数秒差で順位が入れ替わるため、どのコーナーを何km/hで曲がれるか、どこで踏んでどこで脚を休めるかを、前日のうちに体で覚えておくことが大きな武器になります。ライン取り、路面の状態、勾配の変わり目、風向き——チームカーを従えて実際のコースを走り、頭の中に「コースの地図」を作る。だからTT前日の休息日は、プロトン総出の下見日になるのです。
出典:RTBF: Evenepoel a reconnu le parcours du chrono pendant le jour de repos ↗IDL Pro Cycling: Evenepoel spoke on the rest day ↗