休むところがない104.8km——スタート25kmで、もう大会最高地点
アンドラ・ラ・ベリャの街を出ると、道はすぐ上りに変わります。1級山岳ポルト・デンバリラ、全長23.3km。平均勾配5.1%は穏やかに見えますが、きついのは標高2,000mを超えてからで、頂上の2,409mはこの3週間でいちばん高い場所です。ピレネーでもっとも高い舗装路の峠でもあります。
攻撃は最初から飛び交いました。ヴィスマ・リースアバイクがこの動きに5人を送り込み、前で固まったのは16人ほど。そのなかに、XDSアスタナのロレンツォ・フォルトゥナートがいました。
そのころ、集団の後方から静かに落ちていく選手がいます。モビスターのキアン・アイデブルックス。2日前の落車で左足首を痛めていました。アンドラは、彼が暮らす国です。
デンバリラの頂上を先頭で越えたのはフォルトゥナートでした。けれど後ろでは、デカトロン・CMA CGMが尋常でないペースで上っていました。頂上での差はもう30秒足らず。27kmの下りの途中で、逃げは消えます。残り67km、レースは振り出しに戻りました。ただし集団は、もう30人ほどしか残っていません。
その30人のなかに、ジョアン・アルメイダの姿はありませんでした。ポガチャルの右腕は、最初の上りで千切れています。
🔰 初心者向けメモ: 104kmが「クイーンステージ級」になる理由
距離が短いステージは、楽な日ではありません。3週間のグランツールで選手が走る基準は「今日をどう生き延びるか」で、200kmを超える日に序盤から全開で踏めば終盤に何も残りません。ところが100km前後になると、その計算が消えます。最初の上りから全力で踏んでも、体は最後まで持ってしまう。
だから主催者は、山を詰め込んだ日をわざと短くします。休むところがどこにもない設計で、実際にレースは1つ目の峠から全開になりました。