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プロチーム図鑑

グランツールの出場チームを眺めていると、毎年ほぼ同じ強豪が顔を揃え、そこに時々、聞いたことのないチームが混じっています。じつはプロのチームには「格」があり、その仕組みがわかると、スタートリストの顔ぶれの意味が読めるようになります。

チームには3つの「格」がある

UCI(国際自転車競技連合)は、プロチームを上から3つの区分に分けています。

1部

UCIワールドチーム

最上位の18チーム。グランツールをはじめ、シーズンの主要レースすべてに出場する権利を持ちます。予算も選手層も最大級で、総合優勝を争うスターの多くがここに所属します。

2部

UCIプロチーム

1部の下に位置する区分。かつては「プロコンチネンタルチーム」と呼ばれていました。グランツールには自動では出られず、後述の「招待」や上位チームの特別枠で出場します。ここから這い上がろうとするチームの挑戦が、レースに物語を生みます。

3部

UCIコンチネンタルチーム

地域に根ざしたチームや、若手を育てる育成チームが多い区分。グランツールの舞台には基本的に立てませんが、未来のスターがプロの一歩目を踏み出す場所です。

なぜ同じ強豪が毎年出られるのか

最上位のワールドチーム18チームには、グランツールへの自動出場権があります。だからツール・ジロ・ブエルタには、毎年ほぼ同じ最強の顔ぶれが並ぶのです。

グランツールは1チーム8人で戦うので、18チームだけでは144人。舞台にはもう少し椅子が用意されていて、残りの枠が下の区分のチームに開かれます。2026年のグランツールは、全23チーム・184人で争われます。では、ワールドチーム以外の5チームは、どうやって選ばれるのでしょう。

ワイルドカード——招待というドラマ

空いた枠の一部は、レースの主催者が「このチームに出てほしい」と招待する形で埋まります。これがワイルドカードです。地元の国のチームや、人気スターを抱えるチームが招かれることが多く、格上に挑む2部チームの姿は、グランツールの隠れた見どころ。勝ち目の薄い逃げに毎日飛び込み、スポンサーの名前をテレビに映し続ける——リザルトに残らない彼らの奮闘も、この招待枠から生まれています。

さらに2026年からは、2部プロチームのうち前年ランキング上位3チームが、招待を待たずにすべてのグランツールへ出場できるようになりました(それ以前は上位2チーム)。2025年の成績で、チューダー・プロサイクリング、ピナレロ・Q36.5、コフィディスの3チームがこの権利を得ています。この枠がひとつ増えたぶん、グランツールの出場枠は22から23チームに広がりました。

そのポイントは、どうやって稼ぐのか

チームの「格」を左右するポイントは、選手が一戦一戦のレースで着順に応じて受け取ります。上位でゴールするほど、そして格の高いレースほど、もらえる点は大きくなります。たとえばツール・ド・フランスの総合優勝は1,000点。グランツールや、モニュメントと呼ばれる伝統の大レースが飛び抜けて高い配点で、ステージ優勝や山岳賞といった一つひとつのタイトルにも点がつきます。

そしてチームの点数は、所属選手のうちその年よく稼いだ上位20人の合計で決まります。だからエースが一人だけ突出しても足りません。多くの選手がこつこつ上位でゴールを重ねること——つまり選手層の厚さが、チームの格を支えます。ここでも、順位表に名前を残さないアシストがふと決めた一度の入賞が、チームの一年を左右することがあるのです。

昇格と降格のある世界

こうして貯めたポイントを3年ぶん合計した順位で、チームの「格」が決まります。成績が振るわなければワールドチームから2部へ降格、力をつけた2部チームは1部へ昇格。いまのワールドチームの顔ぶれは、2023〜2025年の3年間の成績で選ばれ、2026〜2028年のライセンスを手にしたチームたちです。

おもしろいのはコフィディスです。このフランスの老舗は2026年、ワールドチームから2部へ降格しました。それでも「2部の上位3チーム」の権利で、グランツールには変わらず自動出場します。格を落としても大舞台には立ち続ける——現代のチーム制度の妙が表れた一例です。

この昇格・降格があるからこそ、総合順位に絡まないチームが終盤のステージで見せる必死のもがきにも、意味があります。1ポイントが来季の居場所を左右するかもしれない。順位表の外側にも、その日を懸命に走る理由があるのです。

いま登録されているチームの顔ぶれはチーム一覧、8人でひとりを勝たせる仕組みはエースとアシスト、観戦中に出てくる言葉は用語集をどうぞ。

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