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ツール・ド・フランス2026 Stage 102026年7月15日文: Grand Tour Hub 管理人

革命記念日、王者はひとりで山を越えた——混戦は32秒後ろで

オーリヤック → ル・リオラン 166.6km(中央山塊の山岳、1級2つを含む7つの峠)

休息日明けの第10ステージは、フランスがいちばん熱くなる7月14日——革命記念日でした。中央山塊に7つの峠を詰め込んだ166kmで、マイヨ・ジョーヌは他の誰も追いつけない独走で今大会3勝目。けれどこの日の本当の見どころは、その32秒後ろにありました。2位から7位までがわずか12秒にひしめく大混戦のなかで、総合の表彰台争いが大きく動いたのです。

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序盤から細かな起伏が続き、終盤に1級ピュイ・マリーと1級ペルテュスを連続で越える中央山塊の一日。ゴールはスキー場ル・リオランへの登り(500m・7.4%) 中間スプリント26km地点 3級山岳68km地点 2級山岳 グリフール97km地点 3級山岳 プラ・ド・ブーク104km地点 3級山岳 ミュラ119km地点 1級山岳 ピュイ・マリー136km地点 1級山岳 ペルテュス152km地点 3級山岳 フォン・ド・セール164km地点

📊 今日のデータ

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スタート晴れ 35℃・風2.6m/s
ゴール晴れ 29.1℃・風4.7m/s
逃げ31人 → 捕獲(残り15km)
決着独走(タデイ・ポガチャル)
総合タデイ・ポガチャルが首位堅持(+216秒)
敢闘賞リチャード・カラパス(#41・EF Education–EasyPost)

山の日なのに、緑ジャージの朝は忙しい

7つの峠が待つ山岳ステージ——なのに朝のプロトンを牽いたのは、スプリンターを抱えるリドル・トレックでした。狙いは25.5km地点の中間スプリント。ピーダスンにポイントを取らせるため、山の日の朝から列車を組んだのです。その仕事が終わった直後の45km地点、今度はアブラハムセンが火をつけて31人の大きな逃げが生まれ、ロモが中盤の山岳ポイントを次々と回収していきました。山の一日にも、緑と水玉のジャージ争いは休みなく続いています。

🔰 初心者向けメモ: 山岳ステージの「平坦の主役」——ポイント賞の裏側

ポイント賞(緑ジャージ)はゴールだけでなく、毎ステージ途中の「中間スプリント」でも加算されます。山岳ステージはスプリンターが勝てない日ですが、中間スプリントが序盤の平坦にあれば話は別。ライバルが山を警戒して脚を溜めるあいだに、こっそり20点を積み増せるのです。だから緑ジャージを狙うチームは、山の日の朝だけ全力で働き、あとは制限時間内の完走に切り替える——1日の中に「別のレース」が埋め込まれています。

王者のチームは逃がさない

31人もの大逃げができれば、普通は誰かの逃げ切りで決まる一日になります。しかしUAEチーム・エミレーツはタイム差を最後まで管理し続けました。逃げを泳がせて総合だけ守るのではなく、ステージ勝利そのものを獲りにいく——マイヨ・ジョーヌを着ながらの強気の宣言です。それでも1級ピュイ・マリーの頂上7km手前、逃げからカラパスが単独で飛び出し、残り30km地点で20秒のリード。エクアドルの元ジロ覇者が、王者のチームの計算に最後まで抵抗しました。

🔰 初心者向けメモ: 逃げを「泳がせる」チームと「抑え込む」チーム

第8ステージでは、スプリンターのチームが逃げをギリギリまで泳がせて計算どおりに捕まえました。今日のUAEは逆で、序盤から差を最小限に抑え込む走り。この違いは「誰が勝ちたいか」で決まります。エースにステージを獲らせたい日は、逃げに大きな貯金を許せません。そのぶんアシストは一日じゅう風を受け続けます——強いチームの独走勝利の裏には、画面に映らない数時間の牽引があります。

ペルテュスの一撃、革命記念日の独走

勝負は1級ペルテュス(4.4km・平均8.5%)でした。頂上まで残り1km、マイヨ・ジョーヌのポガチャルが腰を上げると、ヴィンゲゴーはまったく反応できません。20秒先を行くカラパスをわずか800mで捕らえて抜き去り、頂上を7秒差で通過。下りと最後のフォン・ド・セール峠でリードを38秒まで広げ、スキー場ル・リオランの登りゴールにひとりで到着しました。7月14日の勝利は2021年、2024年に続いて3度目——革命記念日に3回勝った選手は、ツールの歴史で彼が初めてです。

32秒の後ろで、表彰台が動いた

独走の後ろでは、この日いちばんの物語が展開されていました。2位エヴェネプール(+32秒)から7位ヴィンゲゴー(+44秒)まで、6人がわずか12秒の間にひしめくスプリント。3位に飛び込んだのは19歳のフランス人セクサス——革命記念日に母国の新星が表彰台に立ちました(本人は下りで「前輪がなぜか滑った」と危険な路面に肝を冷やしたことも明かしています)。一方、総合3位につけていたデルトロは1分31秒を失って表彰台圏から後退し、エヴェネプールが総合3位へ浮上。4位のリポヴィッツも34秒差で食い込み、アユソはマイヨ・ブランを守りました。総合首位の貯金は3分36秒——数字の上では独走でも、その後ろの椅子取りゲームは、これ以上ないほど熱くなっています。

今日の寄り道

自転車をちょっと離れて、ステージが駆け抜けた土地の話。

伝統工芸傘の都オーリヤック

スタートの町オーリヤックは「傘のヨーロッパ首都」を名乗る、フランスの傘づくりの本場。19世紀半ばに行商人が最初の工房を開いて以来の伝統で、フランス製の傘の半分以上がこの町から生まれてきました。1997年からは「ロリヤック・パラプリュイ」のラベルで職人たちが結束しています。山あいの町の雨の多さが育てた産業——晴れわたった革命記念日のスタートには、少し似合わない話かもしれません。

自然ピュイ・マリー

この日の勝負どころのひとつピュイ・マリー(標高1,783m)は、ヨーロッパ最大級の成層火山だったカンタル火山の名残の峰。数百万年前の巨大火山が侵食されて、いまの荒々しくも美しい稜線になりました。プロトンが登った峠道は、太古の火山の斜面そのものです。

写真: Wikimedia Commons(フリーライセンス)

この日の公式ハイライト

Cycle*2026 ツール・ド・フランス 第10ステージ(J SPORTS公式)

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この記事を書いた人

Grand Tour Hub 管理人

ロードレースの面白さを初心者目線で伝えるファンサイトの管理人。いちばん好きなのは、ゴール直前までもがいてスプリンターを発射させたアシストが、仲間の勝利を確信して、自分はまだゴールの手前なのにガッツポーズをする瞬間です。

※ 観戦記は管理人による独自の執筆コンテンツです。選手タイプの解説はタイプ図鑑もどうぞ。